《自然賛歌》


 霊峰富士山北麓、標高七百五十メートルの富士吉田市に移り住んで早や三十二年が経ちます。この街は、南北に通るすべての道が富士の山に向かう坂の街で、南に富士を仰ぐことから、太陽は富士の稜線を左から右へと巡ります。この街で見る富士は常に太陽と共にあります。
 私は、この富士山の存在そのものに人知の及ばない自然への畏怖を感じています。日常ふと仰ぐ富士に、その時々の想いを映し、敬意、憧れ、祈り、恵み、喜び…などの人間としての尊い感情が湧いてきます。
 そこに抱かれていることに大きな安らぎを感じ、大地の象徴として賛歌しています。太陽には生命へのエネルギーを、水には潤いを感じ、すべての源として賛歌しています。


photo by SHIGYO SUENOBU
櫻井孝美



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