筒粥祭(粥占祭)

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小室浅間神社 筒粥神事(富士吉田市)

動画・一般社団法人富士五湖観光連盟

 

正月十四日の晩から翌十五日の未明にかけて行われます筒粥神事は、富士北麓における「富士山参詣者の多寡・作物の出来高・一年の天候」を占う。

全国各神社行われる粥占のなかでも、甲斐の国側(山梨県)に来る「富士山参詣者」の数を占う事が最大の特色となる。

富士山参詣者は道者総合数と・甲州(山梨県から)信州(長野県方面から)駿州(静岡方面から)相州(神奈川方面から)武州(埼玉・東京方面から)を占っている。

永禄三年(1560年)からの記録が「ツツガイ」と記されて「勝山記」に残っており、長きにわたって伝承されてきたことが知られ、戦国時代の記録が残っている事も貴重なものとなっている。

山梨県立博物館「かいじあむ」の常設展示に展示されている。

祭儀は、本殿南側の筒粥殿に大きな釜をしつらえ、二升の米と五合の粟を煮ます。湯が煮えたぎってから米と粟を釜に投入する点は、水に浸した米を煮る通常の粥とは相異している。

 

やがて世襲の占人一族の家「葭之池温泉」の池で育ったヨシの筒二十四本が括りつけられたカイバシラ(粥柱)が釜の中に浸され、粥が煮えると個々の筒に入った粥の量や質により富士山へ詣でる道者(参拝者・観光客)の多寡を、甲州・信州・駿州・相州・武州および総体で見ていく。そして、稲・夕顔など十四種の作物の出来高を占う。

 

また、囲炉裏の残り火にカツノキ(白膠木(ぬるで))で作った十二個の駒を焼き、一年間・12ヶ月の天候や風の強弱(台風など)が占われる。

 

かつて、富士北麓の人々は此の占いを元に、作付けの品種を考え・富士山道者による外貨収入の予測・天気予報をして、生活の指針として重要視しており、明けの朝には人々が占い標を受けに来ていた。

 

現在でも、結果は公表して、希望の参拝者に占い標を頒布している。